"絆" KIZUNA プロジェクト 2018 報告
~持続可能で平和な社会のための” ひとのネットワーク” 作りをめざして~
Peace Field Japan は、2018年も8月に"絆" KIZUNA プロジェクトを行いました。イスラエル、日本、パレスチナの青少年が、人と自然との調和や共生の精神を受け継ぐ里山の暮らしや伝統文化にふれる体験を共有することで、互いを理解し、絆を築くとともに持続可能な社会をつくるために何ができるのかを一緒に考える場を提供しました。
プログラム概要
1) 参加者:
イスラエルの高校生女子4名、指導者1名
パレスチナ(西岸)の高校生女子4名、指導者1名
日本の19-20才の女子4名
2) 開催地:山梨県北杜市、小菅村、東京都内
3) プログラム概要
期 間:8月7日 ~ 21日
場 所:山梨県北杜市、小菅村、東京都内
参加者:イスラエル、日本、パレスチナの中学生、高校生、大学生女子各4人(計12人)
主 催:特定非営利活動法人 Peace Field Japan
助 成:公益財団法人関西・大阪21世紀協会 日本万国博覧会記念基金
協 力:公益財団法人キープ協会
後 援:外務省、文部科学省、小菅村役場、小菅村教育委員会
協 賛:横浜南ロータリークラブ (有) アオキエアコンディショニング
物品協賛:川崎ロータリークラブ、株式会社東あられ本鋪、株式会社はくばく、 アリサンオーガニックセンター、株式会社良品計画、インド&パキスタンレストランスルターン、横浜瀬谷ロータリークラブ
ご寄付(KIZUNAサポーター): 磯部檜水夏さん、大圖通子さん、太田和代さん、大橋俊弘さん、蒲隆夫さん、川﨑智晴さん、岸厚子さん、木村真典さん、久米真浩さん、桜井裕子さん、颯田裕彦さん、杉浦武胤さん、鈴木康昭さん、武居正則さん、田中麻紀さん、長谷川成人さん、橋本雅文さん、水谷透さん、村井華代さん、森山アミーラさん
物品ご寄付:阿部功・登美子さん、太田敦之さん、岡野公彦さん、鹿沼正さん、鹿沼勉さん、鹿沼俊彦さん、櫻井友さん、渋沢伸二さん、神藤良康さん、関根由紀夫さん、高岸英行さん、中澤美弥子さん、中澤幸枝さん、村橋克雄・静子さん、山田忠守さん、山田操さん、吉田富枝さん
ご協力いただいた方々
・キープ協会:浦壁真琴さん、坂川 実基さん、Merrawyn Jamesさん
・小菅村:
教育委員会:佐藤誠さん
源流振興課:守重絵梨子さん、中川徹さん
小菅中学校教職員のみなさま
林業廃棄物センター:細川雅之さん
長作地区:守重市平さん、守重敏夫さん、守重廣子さん、大野康平さん、大野寛子さん
NPO法人多摩源流こすげ:鈴木一穂さん、寺田寛さん、福田あつみさん
ホストファミリー:権正佳子さん、佐藤英敏さん、露木セツ子さん、村上伸哉さん
多摩川源流大学
・その他:齋藤伸介さん
・ボランティアスタッフ:天野太一、安藤真伊、飯塚麻結、池田将太、石橋真里奈、伊藤匠海、浦崎笑子、菊池紗希子、桐生愛、小林琴里、小林静流、櫻井翔太、貞森ひなた、佐藤万優子、佐藤桃華、柴原咲里、白石真由子、高橋愛美、谷口明奏、當房侑貴、頓宮ナタリー、中村憲孝、西田更良、平野友美、藤城善信、藤本千尋、藤本優花、星田桃花、増井奈都乃、増村光星、松浦孝弥、宮本葵、安田純矢
プログラム内容
8月7日
前日に到着していたイスラエル人参加者とパレスチナ人参加者は、都内で日本人参加者と学生ボランティアスタッフと合流し、キープ協会に到着。清里のきれいな空気と一面緑の高原の風景に、長時間バスに揺られた疲れも忘れました。
8月8日
8月9日
清里を後にし、小菅村に到着。大勢のボランティアスタッフに迎えられました。昼食、自己紹介の後、みんなで共同生活のルールを作りました。茶道体験では、絆プロジェクトのキーワードの一つである「一期一会」の意味を学びました。この日から、参加者全員が一つの大部屋で寝起きする共同生活が始まりました。
8月10日
8月11日
8月12日
午前中は源流体験。水に逆らって淵を泳ぎ切るという最初の難関も突破、水流に押し流されそうになりながらも、小さな滝を登りました。毎年恒例となった大きな岩からのジャンプ。恐怖に打ち勝ち飛び込むと、もう一度、と、5回も飛び込んだ参加者もいました。豊かな森ときれいな水、自然の素晴らしさを肌で感じました。午後は、和食作り体験。”卵"について詳しく学んでから各自卵焼き作りを楽しみました。酢の物、鶏の照り焼き、冷奴、吸い物も作り、夕食となりました。
8月13日
8月14日
8月15日
午前中は、新聞紙を利用しての新聞紙バッグ作り。プラスチックゴミの削減が世界的な課題になっている中、レジ袋の削減に貢献できると、行動計画に取り入れる参加者も多かったです。その後はそば打ち体験。2017年の参加者が蒔いて、秋に日本人参加者や学生スタッフが収穫したそばを使ってのそばうちです。普段、パンやピザ生地を作っている参加者も多く、守重さんが愛情をこめて育てた野菜のてんぷらと一緒に食べるそばに舌鼓を打っていました。箸作り体験では、多摩源流こすげの寺田さんの指導により、小菅伝統の箸の作り方で挑戦。かんなの扱いに苦労しながら、最後に焼きペンで名前やイラストを入れて完成。大事そうに持ち帰りました。そして、そば粉を使ったせんべい作りにも挑戦。生地を丸める、焼型で焼く、焼印を押すという工程で、リズムとチームワークが必要です。焼きあがったそばせんの美味しさは格別だったようです。たくさん作ったそばせんが、あっという間になくなりました。
8月16日
小菅中学校がこの日を登校日にして受け入れてくださっての交流プログラム。中学3年生が、小菅村や日本文化について英語で紹介した後、全員で大きな輪になって、小菅音頭を踊りました。息を合わせないと下ろせないフラフープのゲーム、フルーツバスケットやジェスチャーゲームで楽しんだ後、大きな模造紙にメッセージを寄せ書きしました。教頭先生に案内いただいての校内見学は、イスラエルやパレスチナの学校とまったく違う日本の学校に興味津々。日本の学校では、生徒が校舎を掃除することに驚いていました。夕方からはホームステイ。村の方々のお宅で、忘れられない楽しい時間を過ごすことができました。
8月17日
8月18日
プログラムのまとめの日です。プログラム中の様々な体験から学んだこと、得たことを自分のコミュニティで生かすために、各自のアクションプランを作りました。個性あふれるアクションプランが出来上がり、全員が発表して共有し、お互いに拍手で励ましあいました。発表の後、午後は、全員での最後のシェアリング。コミュニケーション講座で使った、持ってきた赤ちゃんの頃の写真をそれぞれに返却しながら、一人一人が他の参加者全員に対して、メッセージを伝えあいました。そして夜は書道体験。「絆」の文字を思い思いに書いた後に、くじて引いた参加者やスタッフの顔を描き、みんなで当てあいました。おかしな似顔絵に大笑いでした。
8月19日
小菅村での最後の日。朝から夜の村の方々との交流会に向けて、飾り付けや中東料理作りに励みました。今年も、ホストファミリーの方々、子どもたち、お世話になった村の方々がたくさんいらしてくださいました。一生懸命作った中東料理を味わっていただいた後、ディズニー特集の踊りや歌を披露しました。小菅への思いを替え歌にしたスタッフによる出し物もディズニーでした。また、スタッフも一緒に、今回のテーマダンスとなった「踊るポンポコリン」も披露。村の方々にも楽しんでいただくことができました。
8月20日
小菅村を後にして東京へ。都内視察の後、フェアウェルパーティー。プログラムを振り返るスライドショーの後、修了証の授与と参加者からプログラムを振り返っての一言。プログラム最後の夜、再会を期して参加者もスタッフも別れを惜しみました。
8月21日
日本人参加者が成田空港まで見送りに行き、イスラエル、パレスチナの参加者帰国。12回目の絆プロジェクトが無事終了しました。
関連の活動
イスラエル、パレスチナへのスタディーツアー(2019年3月 実施)
参加者からのメッセージ
"初めて出会った参加者と絆を築けた。自然との絆を感じてはいたが、プログラムで学んだ一つ一つのことを通して、その絆がより強いものになったと思う。いつも自分たちのためにあるものだから、自然が大切に扱われなくてはならないものだとこれまで思ったことはなかった。"
"自分が暮らしている場所の環境を守ることが大切だということ、そのために努力をしなくてはいけないということを学んだ。すべてのものに価値があって、感謝しなければいけないということ。例えば、私たちが食べている食べものだ。私たちが食べている野菜や果物を、とても大変な作業をしながら育ててくれる人たちがいる。"
(イスラエル人参加者)
"プログラムに参加した他の参加者たち、自然と絆を築くことができた。すべてが楽しく、笑顔にあふれ、心地よかった。自然との絆を感じることができたので、課題や解決策を意識するようになった。たった一つしかない地球を大切にする必要があるから。"
"里山に暮らす人たちと都市に暮らす人たちの間には、とても強いつながりがあり、助け合う関係性がある。村の方々は、川でつながっている都市の人たちのために、川や水をきれいにしていた。"
(パレスチナ人参加者)
"小菅の方々の生活、自然、環境を守ろうとする努力から問題の見つめ方、自分なりの”Sustainability“の意味を見出すことができた。"
"異なる文化の人との共同生活を通して、異なる文化を受け入れることの難しさを感じた。自分の文化を大切にすることと、相手を尊重することのバランスを取ることが大切だと感じ、共同生活の中での絆はコミュニケーションなしでは生まれないと思った。"
(日本人参加者)